水上高原のホテルで感じたこと

クラシックギターの村治佳織さんのファンである彼女が、水上高原のホテル宿泊&ミニライブのプランを見つけてきたので行ってきた。

角部屋は大きな窓が2面あり、そこからは白樺の林や紅葉した谷川岳が観られてとても快適。夕暮れ時の景色はとても美しかった。

ここのホテルは、ゴルフコースが併設されているので、どちらかというとそちらのお客が多いような印象。

その後、温泉に入ってからバイキング形式の夕食に行ったのだけど、ここで問題が。なんと、満席で入れないから、名前を告げてロビー周辺で待っていてくれというのだ。そもそも、ホテルで夕食が満席というのが信じられないのだが、待っている人を呼ぶのに、大声張り上げて「2名でお待ちの○○様〜」とかやってる。ここはファミレスか。そもそも、ホテルのロビーで名前なんて大声出して呼ぶもんじゃない。周囲に名前知られたくないところもあるんだし。

だから、呼ばれた人も当然返事をせずに食事場所に移動していく。それを察知せずに名前を大声で連呼。これはホテルとしてはどうかなぁ。

しかも、私たちの場合ロビーで30分も待たされた。30分もあるんだったら、一度部屋に戻ってくつろげるくらいの時間。それをロビーで待たせるのは論外。
たとえば、順番がきたら知らせてくれるポケベルみたいな物を導入して、スムーズに案内してはどうだろうか。トランシーバーみたいなものだったら、通信費はかからないし、そもそも使うのは混んでいる時期だけだろうだから、そんなに設備投資費はかからないはず。

それよりも、繁忙期に来る客の満足度を下げずに、また来たいと思わせることが重要だと思う。多くの人は待たされる時間を長く感じるものだし、こうしたホテルの場合、ロビーに従業員の大声が響くというのは美しくない。そのあたりの顧客マインドの理解が必要だと感じた。

また、夕食後のミニコンサート。夜なので景色は見なかったが、大きな窓にかこまれたイベントスペースで行われた。そして、ここの部屋の形が長方形なのだが、なんと、会場を横に使わずに、縦に使って前にステージが設置してある。クラシックギターは立奏ができないので、イスに腰掛けなければならい。そうすると、後ろの席からは演奏者がほぼ見えない。特に、最も見たいであろう手元は確実に見えない。
案の定、後ろにいた人の一部は、席を立って一番後ろから立ち見をしていた。

そもそもホールではないので、客席に傾斜がついていないのは当たり前なのだが、それを補う工夫をしなければいけないのが主催側。
特に、水上高原まで来るくらいの客なのだから、村治佳織さんのファンで、ここなら通常のコンサートよりも身近に見られるのではないかと期待するのが当たり前。であれば、なるべく多くの人の満足度を高めるためにも、どうすれば演奏者との距離を縮められるか、考えるべきだ。

村治さんのトークの中で「こうしたクラシック演奏を行うというのはホテルでも初めての試みと聞いています」とあったが、あまりに準備不足で、「客さえ来ればよい」という安易な企画のように見えてしまった。

しかし、演奏自体はとても魅力的で楽しめた。クラシックギター1本で、これだけ表情の違う音が出せるのかということに感心してしまった。6弦あるので、伴奏とメロディを一緒にというのは当たり前なのだが、時にはボディをたたいて打楽器のように使ったり、弦をつま弾くのではなくたたいて音を出したりと、1人で何役もこなしてしまう。

そして、村治さんの音は非常に繊細で、弱奏の時のちょっとしたところなんか、ものすごく神経が行き届いているなあと感じた。
それにしても、180人くらい対象のミニライブとはいえ、たった一人でステージに立って、バックバンドもなにもいない、本当にごまかしの利かない世界にいることのプレッシャーっていうのはどんな感じなのだろうか?
もしくは、ある意味その場を一人で支配していることでもあるので、そのことに悦びを感じる用になるのかもしれないと思ったりもした。

曲目も、バロックあり、ミュージカルあり、ポップスありとジャンルに富んでいながら、最後はやはり情熱的なギターオリジナル曲。演奏自体はとてもよかっただけに、主催するホテル側の未熟さが残念。

今後もこうした宿泊プランを立てるつもりならば、顧客がなぜこのプランに申し込むのか、何を期待しているのか、その人たちはどんな人たちなのか、という顧客インサイトをもっと理解しないと、1回だけで終わってしまいそうな気がする。
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by basscla1 | 2009-11-05 21:28 | 音楽  

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