「手紙」を観た

 大好きな作家の1人、東野圭吾原作の「手紙」が映画化。
この小説はまだ読んでいないので、
罪を犯した刑務所内の兄と弟の手紙のやり取り、
という基本的なストーリーラインしか知らなかった。

以下、ネタばれ含みます。

 全体的な脚本はいいと思ったけれど、
演出が稚拙で、正直2時間ドラマレベルかと。

沢尻エリカが山田孝之にプレゼントを渡して「よしっ!」と声を出しちゃうし、
自暴自棄になった山田孝之が、テーブルをガッチャーンとやっちゃうし、
なんか“お約束”演出が多すぎて、入り込む前にしらけてしまう。

 ただ、メッセージとして響いたのが、勤める家電量販店の会長の言葉。
自分は悪いことをしていないのに、不当に差別されている、
差別の無いところに行きたい、と感じる主人公に対して、
会長は「犯罪者の家族を差別するのは当然」と言い切ってしまっている。

 人は誰しも、安全で平和に暮らしたいと思っている。
だから、犯罪と距離をおきたい、自分から出来るだけ遠ざけたいと
思うのは防衛本能なんだ、と言っている。

これだけ聞くと、何かひどい人物のように思えるが、その後に
「だから、差別のない場所に逃げるのではなく、ココからはじめればいい」
「自分を信じてくれている人とのつながりを1本1本増やせばいい」
と言って励ます。
「人権」「差別」に対して、これだけ正直に、かつ説得力のある
メッセージを発しているのには共感出来た。
たしかに、TVではこういうメッセージを流しにくいだけに、
「映画」でやったのは納得できる気がした。

この後の演出でも、「う~ん、何故?」と引いてしまって、
映画にどっぷりつかることは出来なかったけど、
やはり最後の刑務所内での漫才はウルウルきた。

このシーンの玉山鉄二の表情はすごく良かった。
全体のバランスはあまり良くないけど、これがラストにあることで
映画の締まりがとてもよかったと思う。

*丸の内で見たのだが、同じビルで上映していたのは
 「Death Note」。手紙はガラガラだったけど、こっちは満員みたい。
 人を死なせてしまうことに対するアプローチが
 まったく違う2作品だが、人の命を軽んずる映画を
 観すぎているときには「手紙」を観て欲しいと思う。
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by basscla1 | 2006-11-05 23:03 | 映画  

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